愛媛支部東予分会、一色 敏夫さん ~市之川鉱山史跡がピンチ~
 愛媛県西条市の市之川鉱山跡では、貴重な鉱山産業遺産の保存が危機に直面しています。市之川鉱山は江戸中期から稼働し、美しい輝安鉱(アンチモン)の産出で国内外の博物館に資料が保存されるなど歴史的価値が高い場所です。しかし、過疎化により資料を保管していた地元の公民館が廃止の危機にあり、資料の一部は歴史考古資料館への移設、残りは倉庫保管が計画されています。
 これに対し、地元の有志団体「市之川の未来を考える会」や西条高校の生徒らが、現地保存の重要性を訴え活動を続けています。高校生は鉱石の人工合成や商品開発にも成功し、地域の未来を担おうとしています。
 令和7年5月6日には啓発イベント「市之川の日」が開催され、悪天候にもかかわらず多くの参加者が鉱山跡を訪れ、学術的・歴史的価値を再認識する機会となりました。地域遺産の保存と活用について、今こそ市と市民が協力して再検討すべき時です。

〇活動状況のスライドショー
     
     
世界に誇る輝き 輝安鉱
     
母岩付き輝安鉱標本(左右12cm ガマの様子が偲ばれる
     
地元にほぞんされていた輝安鉱(高さ23cm 「銀狐」と銘々されていた
     
アンチモニー製品の一例 和箪笥の鍵飾り 葛飾アンチモニー会 箭浪吉男氏の作品
     
大英自然博物館の代表的な市之川産輝安鉱標本(長さ約55cm)
     
満開の桜が美しかった、在りし日の千荷坑付近
     
坑道内部(沼田抗) 昭和50年代撮影
     
現在の白目山神社 狛犬は齋藤幾太寄進
     
  愛媛県総合科学博物館の市之川鉱山コーナー
     
東京大学標本 長さ約2m 高さ約90cm (東京大学総合研究博物館蔵)
     
三菱(和田)コレクション標本 三菱マテリアル㈱蔵)