愛媛支部東予分会、真木 真美 ~いも炊き

 OB会東予地区の恒例行事の一つで、毎年9月に実施してきた「いも炊き」を3年振りに行いました。コロナも心配でしたが、会場の加茂川河川敷は屋外であること、暫く会員の親睦が図られていないこともあって、急遽決行することとした。
 9月16日、17時20分西条駅前に集合、OB゛ホロ酔いの会゛のメンバーと今回はNHK宇和島支局の山下さん、鉄道カメラマンの坪内さんも特別に参加して、12名で催行きる事となった。ジャンボタクシーなどに分乗して、会場にはおよそ10分、会場に着くころには日も西に傾き茜色の空が眩しい。川のせせらぎが夜風に乗って心地よい。三密を避けるため、余裕をもって三か所に分散して鍋を囲むこととなった。
 川向いの八堂山の稜線が鮮やかに星空に浮かぶ。西条の嵐山と言われる桜の名所、武丈公園が目の前に微かに街路灯に照りだされている、芋炊きには最高の環境である。この夜は、下弦の月で残念ながら月明かりはない。月見のなかでの芋炊きは次回に持ち越すことに。
 大鍋には東予地区の名物である里芋が主役をつとめる、水みずしくネットリした食感は箸でつまむと、ホロリとこぼれるほどのネットリしたホカホカの味。また,ひうち灘の遠浅でとれる名物の身のしまった黄金色の鮮やかな貝柱のとり貝(バカ貝)も彩を添える。
 地元の新鮮野菜や鶏肉を豪快に放り込む。準備が整いガスに点火、蓋をして待つこと1〇分、だれかれとなく次つぎ蓋を覗いては出来上がりを気にするメンバー、炊きあがりが待ち遠しい。乾杯の缶ビールが空になる頃には名物の炊きあがりである。各々、取り皿にとって無言で口に運ぶ、野菜や具材にも十分に味が染みている、里芋のホクホク感がたまらない。初めは遠慮がちの話声も次第に熱がこもってくるのは仕方のないことか。
 杯を重ねるころには尿意を催すのは世の常か。暗闇にまぎれて水辺に並び用足しするさまは、さながら戦国時代の秀吉と家康が小田原城攻めの際、並んで戦略を相談したシーンが脳裏をかすめる。(こんな行為は厳禁)
 最後に焼きそば麺、うどんの麺も、出汁の味が染みてお腹も満腹。およそ2時間の宴も最好調に達する頃には心残りではあるが、ホロ酔い気分で早々に家路に就いたのだった。